私を支える小さな魔法

なんだか眠れない夜、いつも手に取る本があります。

梨木香歩さんの「西の魔女が死んだ」。

高校時代、落ち込んでいた私にこの本を薦めてくれた人がいました。

「主人公の少女があなたみたい」

そう言われてページをめくったときの、少し照れくさいような、くすぐったいような気持ちは、今でも胸に残っています。

繊細で感受性豊かな少女・まい。彼女が “西の魔女” と慕うおばあちゃんの家で、ひと月あまりを過ごす物語です。早寝早起き、庭に咲く植物の名前、手づくりのジャム。日々の暮らしを「魔女修行」と呼びながら、まいは静かな時間の中で、さまざまな体験と小さな気づきを重ねていきます。

その修行で1番大切にされていたのは「自分のことは自分で決める」こと。

今は、あの頃よりも少しだけ、「自分のことは自分で決めること」の重みが分かります。選ぶという行為には、孤独や不安もつきまとうけれど、それでも自分の選択に責任を持とうとすることが、大人になるということなのかもしれません。「西の魔女が死んだ」を読むと、いつも心がふっとほどけていく、まるで魔法のような感覚になります。まいの不器用さに、昔の自分を重ねては、そっと背中を撫でてもらえるような、そんな優しい気持ちになるのです。

読み終わったあとは温かい物語の余韻に包まれながら、静かに目を閉じると、ほんの少しやさしくなれた自分に気づけます。この本が教えてくれたように、これからも私は自分の人生を自分の気持ちで選んでいきたいと思います。

そして、いつまでも、どんなときも優しさを忘れない人でありたいです。

photo & text by kokomi

2006年生まれ。趣味は本を読むことと映画を観ること。1人で過ごす静かな時間が大好き。最近山椒を美味しいと思うようになった。とにかくぼんやりマイペースに生きている。でも先日、ぼんやりしすぎてMacBookの液晶を割ってしまいました。将来の夢は猫と暮らすこと。
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