行ってみたい場所。
いつかは行ってみたい場所。
そこはイタリア北東にある世界遺産の街。
アドリア海の輝きに浮かぶ幻想の水上都市、ヴェネツィア。まるで時が止まったかのような迷路の街並み。150以上の運河に抱かれ、400もの橋が人々の暮らしをつなぎます。車のないこの街を彩るのは、静かに水を滑るゴンドラたち。中世の面影を色濃く残しながら、今もなお、世界中の旅人を魅了し続けています。
サン・マルコ広場では、鐘楼が青空を突き抜け、カフェの音楽が潮風と共に耳をくすぐります。そして、夕暮れ時、金色に染まるリアルト橋の上で聞こえてくるのは、人々の笑い声と、水のささやき。ここは、ただの観光地ではありません。五感全てで”美”と”歴史”を感じる、生きた芸術作品。
それがヴェネツィアです。
ヴェネツィアでは毎年2月に「カーニバル」が行われます。リオ、ニースと並び世界三大カーニバルのひとつとされるこの謝肉祭では、名物のゴンドラを使った水上パレードやサン・マルコ広場を舞台にした仮面コンテスト、舞踏会や音楽イベントなどが華やかに開催されます。
ですが私には、この街で行われるイベントのなかで、カーニバル以上に心惹かれるものがあります。それは、毎年9月に開催される「レガッタ・ストーリカ」です。”レガッタ”とはゴンドラよりも小型で、競漕に使用される船のこと。イタリア語で「制覇を目指して競う」という意味があり、”ストーリカ”は「歴史的な」を意味します。
まぁ… 簡単にいうとボートレースです。
ヴェネツィアを大きく二分する大運河、カナル・グランデを舞台に全長2kmの速度を競います。色とりどりの小舟が号砲と共に一斉に水面を駆け抜け、観客の歓声がカナル・グランデにこだまします。漕ぎ手たちの技と魂がぶつかり合う、その緊張感と迫力こそが、レガッタ・ストーリカ最大の魅力です。
photo & text by Kazuya
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Kazuya
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