痛すぎて、生きてるって思い出した
実家へ帰省したとき、居間で母親が床に何かを敷き、無言で仰向けになっている光景に出くわしました。それがシャクティマットでした。母は昔から健康オタクで、テレビはほとんど見ません。その代わり、SNSや雑誌で見つけた健康法をすぐに取り入れるタイプです。正直、また新しいこと始めてるな、くらいの感覚でしたが、不思議と興味が湧いてきてしまい、自分も試してみることにしました。
服の上からでもいいと言われましたが、なぜか地肌でいきました。15分耐えると完璧と母親が言っていたのでタイマーをセットし早速マットに身を預けたその瞬間、想像をはるかに超える刺激が一気に走り、思わず呼吸が止まりました。鋭い痛みが背中全体を支配して、数秒で後悔しました。それでも不思議なことに、5分ほど経つと痛みはただの苦痛ではなくなっていきました。
逃げたい気持ちが消え、頭の中が静まり返り、余計な思考が削ぎ落とされていく感覚があります。その瞬間、痛みを通して自分が今ここに生きているのだと、はっきり実感しました。普段の生活では味わえない、生々しい感覚でした。終わったあと鏡を見ると、背中一面に真っ赤な痕がくっきり残っていて、その見た目に衝撃を受けました。
終わったあとは体の奥からじんわりと温まり、溜まっていた疲れが抜けていきました。同時に心地よいだるさが残り、しばらくその場から動けませんでした。痛いのに忘れられない。シャクティマットは、体だけでなく感覚まで揺さぶられる体験でした。
photo & text by DAICHI
2005年生まれ20才。最近人生がとても素晴らしいことに気づく。友だちと遊んでセロトニンを合成して生きている。趣味は映画と料理。最近「ソクラテスの弁明」を読んでから哲学っぽいものへ少しづつ傾倒。今はプラトン著「テアイテトス」を毎日数ページの速度で読み進めている。
DAICHI
Instagram:@daichikondo_