それにさえ気づかなかった
僕はそこまでの量ではないですが本を読むのが好きです。特に又吉直樹さんの本が好きで「火花」、「劇場」、「人間」、「東京百景」を読みました。
最初に又吉さんが作家として活動されていると知ったのは「火花」で芥川賞を受賞した時でその時は芸人が書いた小説がそこまでのものなのかと侮っていました。
その後「人間」が発売されたときには初めて作品を手に取ったのですがすぐに彼の作品の虜になってしまいました。なんていうか、不器用な主人公がすごくいいんですよね。中でも好きなのは「劇場」でどうしようもない主人公がかかえる葛藤、苦悩、支えてくれるパートナーの存在が想像しやすくて世界に入り込めるのが読んでいて展開がどんどん気になります。
「東京百景」だけは小説ではなくエッセイで東京のあらゆる土地での出来事を書いたものなのですが分かりやすいものもあれば、中にはどういう意味か考えさせられるものもあり、名前の通り百の文章があるんですがスラスラ読めます。
今は又吉さんとせきしろさんのお二人で書かれた「カキフライが無いなら来なかった」を読んでいて、これは自由律俳句がメインの内容になっています。自由律俳句って5・7・5に取らわれない形で、言ってしまえば何でもありみたいなところがあるんですよね。だからこそ素晴らしいものを作るのは難しいわけです。最後は僕が考えた自由律俳句で締めたいと思います。
また裏返しの靴下を履いていた
Photo&text by かわぐちりょうた
青森県五所川原市生まれ。大学中退後文化服装学院へ入学。大学生時代、夜の新宿が明るすぎて酔いもあったせいか店から出ると一瞬朝かと錯覚。卒業が近づくにつれまだまだ学生のままモラトリアムしていたいと思っている。
かわぐちりょうた