小鉢が焼きあがるまで

小鉢、自分でつくりました。

幼い頃以来の陶芸体験。想像していたのは、勝手に回るろくろの前で、泥まみれになっている自分でしたが、実際には手が少し汚れる程度のものでした。

私が体験したのは、手で回るろくろを使用して、土を指先でのばして形をつくっていく「手びねり」という方法です。小鉢に使う土自体もあまり水分を含んでおらず、比較的初心者向けの優しい陶芸でした。

1番はじめの何をつくりますか? という質問で、花瓶やコップがあげられている中、小鉢と聞いたとき自分の中で何かがびびっときて、即決で小鉢を作ることにしました。小鉢って小さくて使い勝手がよさそうですよね。でも正直、私は小鉢という名前の響きが気に入っているのでしょう。

陶芸が芸術活動のひとつとして挙げられるように、作る人のセンスが必要なようで、私はなかなかコツが掴めず先生に助けられてばかりでした(笑)

手を固定してろくろを回すのですが、空中でピッタリ止めるってかなり難しく、どうしても少しずつずれてしまうようで、この少しのずれがかなり小鉢の形に影響してくるんです。小鉢を作っていたはずなのに、だんだん皿に近づいていたり、ちょっと形がおぶすになっちゃったりね。

なんとか後半は、慣れてきて手も言うことを聞くようになりました。最後の仕上げで、小鉢の縁が水平になるように土を削ぎ落とす作業があるのですが、手作業なので当然縁は不均一。でも、それを削り落とし平らにしてしまうことはできなかったので、不均一なまま焼いてもらうことにしました。不完全なものに惹かれますからね。

焼きあがった小鉢は愛着が湧きすぎてずっと飾っています。そろそろ使ってみようかな。

photo & text by 瞳

福岡県出身。ブルーベリーの見た目と名前が好きで毎日食べている。好きな映画はシロゲーラの「彷徨える河」 好きな監督は、クエンティンタランティーノ監督とウェスアンダーソン監督。生クリームが苦手なので、年に1度だけ給食に出てくるいちごのショートケーキを残した。
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