洋服を愛しているのか 愛していないのか

服飾学生だと言えば服が好きだと、条件反射のようにそう思われていますね。厳密に言うと違いますが。しかし、もしかしたら私だけなのかもしれませんけども。

洋服を愛しているのでしょうか。洋服という物体を。私は洋服をツール以上の目で見たことはないから、愛してはいない。つまりそれは、こういうことです。喋りたいから言語を習得する。私は自己表現のために洋服を着ている。洋服を利用している。ある程度の思い入れがこもったアイテムもあるけども、それらを愛してはいないのです。

デザイナーたちは洋服を愛しているのでしょうか。ハイブランドの代表取締役たちは洋服を愛しているのでしょうか。ビジネスとしての洋服と芸術品としての洋服。二つの顔がありますね。衣食住の衣。それが洋服です。

「どんなに高い服を着ていても、流行が過ぎればすぐに捨ててしまう。ってことは奴らはゴミを着てるのと一緒ってことさ。」という関係者がいて、私はびっくりしました。

文化服装学院でこの2年間勉強しました。ファッション業界は実に多くの問題を抱えていることがわかりました。美しいものの内側にはたくさんの苦労や、それっていいのかな?と思うようなこともありました。洋服が好きなのであれば、動物を愛するように、捨てられる服をどうにかしなくてはいけない。作ったのにいらなくなってしまった服はどうするべきなのでしょうか。

洋服を愛しています。

photo & text by サトシ

生まれも育ちも神奈川県。シュルレアリスティックなものが好き。今年の占いはあまり良くなくて悲しい。しいたけ占いに夜たくさん遊べと書いてあったからたくさん遊ぼうと思っている。優雅に生活したいのに、去年の金遣いが荒すぎて破産寸前。

サトシ