へびパックン。

へびを表すとき、蛇と書きますか? それとも大蛇と書きますか? snakeと英語で言いますか?   「大」と付くだけで動物の印象がとても変わります。「動物」という漢字を分解すると、「動く」と「物」ですね。動く物と書いて生命を表していることに魅力を感じます。

私がこんなことを思ったのは、とある人物の解釈に魅力を感じたからです。それは美術史家であり哲学者のアーネスト・フェノロサが 詩の媒体としての漢字の中でこのように表現しているのを知っていたから。アルファベットに象徴される西欧言語は「慌て急ぐその伝達のために、ますます言語の貧血症をおこしている」   これは記号性にとんだ洗練された美しい形であると同時に、慌てて伝えようとしてるがために、形が貧血症状に陥ってるとフェノロサは言っています。

逆に漢字というのは、「その映像的なその表意性の中に、原初の言葉のエネルギーを発見する」と言いました。漢字というのは、ゆったりとエネルギーを発散しているという。文字という書写芸術と言われるものに生命性を漢字には感じます。それに比べて西欧言語は進化系と言えるでしょう。このような話を聞いた瞬間、「漢字はいいものだなあ」と思いました。

自然を身近に感じる環境が好きな私にとって、文字で表現されることに一種の映像の世界を見ることができる漢字は素晴らしいと思います。例えば「馬」という漢字の成り立ちは、目の前にいる「馬」からイメージしたものが文字として成り立っているのは有名でしょう。私たちが普通に漢字を使って暮らしていることは、とても自然と密接してるなと思うことができるのです。

photo & text by えのき

東京都出身。個人の年間テーマは「探究」。美術館や展覧会に行き、普段目にすることのない新しい表現に触れたい。今1番行きたい場所は、京都にある桂離宮庭園内の茶屋のひとつ、松琴亭。白チョークはやはり美味しそうに見える。

えのき