されど愛しき夜ごはん

趣味はご飯を食べること、特技はご飯を美味しそうに食べること。そんな私が今いちばん好きな食べ物、それはオムライスです。

今年で上京2年目ですが、実家に帰るたび母にオムライスをリクエストするのが定番になっています。我が家のオムライスは、いい意味でクセのない  “ザ・普通のオムライス” 。チキンライスには、みじん切りにされたピーマンやにんじんがこっそり入っていて、野菜嫌いだった弟や妹も気付かずにバクバク食べていました。

そんなオムライスの最大の特徴は、仕上げのケチャップアート。名前が書かれていたり、似顔絵が描かれていたり、母の気分やその日の担当によって内容が変わります。ときにはケチャップがそのまま食卓に出されて、家族それぞれが描いたり、弟や妹が全員分描いてくれたりすることもあります。

この写真のオムライスは、7歳下の弟が私に描いてくれたものです。「これ、ねぇねの似顔絵だよ！」と自信満々に差し出されたオムライスには、なかなかインパクトのある絵が。相当な悪意が感じられましたが、思いのほか可愛くて、つい笑ってしまいました。「怒りたかったけど、意外と可愛いよ」と伝えると、「でしょ！ 意外と上手でしょ！」とドヤ顔。

弟とは、上京前までは毎日のように喧嘩していたけれど、最近はそんなやりとりすらちょっと微笑ましく感じるようになりました。母もきっと安心していると思います（笑）

いつも100点満点の母のオムライスが、この日はなぜか120点に感じられました。にぎやかで、ちょっとうるさくて、でもどこか落ち着く我が家の食卓。そんな空気ごと包み込んでくれるオムライスは、私にとって特別な夜ごはんです。

実家のごはんが恋しいなと感じる今日この頃。次に帰ったら、また一番にオムライスをリクエストしようと思います！

photo & text by mimi