扉の前で待っていたのは、懐かしいぬくもり

夏休みに2年半ぶりにアルゼンチンへ帰省し、家族や友人と再会することができました。久しぶりに顔を合わせたときの安心感や温かさは言葉にできないほどでした。故郷の料理を味わうことも楽しみでしたが、何より心待ちにしていたのは猫たちと過ごす時間でした。

ペットを飼っている方ならこの気持ちを理解してくださると思います。長い間会えなかったので、「忘れられたのではないか」「見捨てられたと思っているのではないか」と不安になっていました。しかし、その心配はまったくの杞憂でした。家に着いてドアを開けた瞬間、猫たちは入口で待っていて、外の物音や大きなスーツケースに興味津々でした。そっと声をかけ、持ってきたおやつや小さな贈り物を渡すと、すぐに以前と変わらない表情を見せてくれました。滞在中はできるだけ猫たちと一緒に過ごしました。昼寝のときも、朝食のときも、本を読むときも、彼らは常にそばにいてくれました。家の中に猫たちがいるだけで、どんな時間も特別に感じられました。

そのなかで特に心に残っているのが、友人が遊びに来た日のことです。リビングでおしゃべりをしていたとき、マイケルという猫が友人に近づいて甘えるように寄り添いました。その姿がとても微笑ましく、私は思わず写真を撮りました。その1枚は、今回の帰省で得られた1番大切な思い出のひとつになりました。猫たちとの再会の喜びだけでなく、大切な人と過ごした温かい時間を映し出しているからです。忙しい日常のなかで忘れがちな「小さな幸せ」が確かにそこにあり、それが心を豊かにしてくれるのだと改めて感じました。

photo & text by agatha 

アルゼンチン出身。ファッション、アート、科学に関心があり、ファッション業界を、気候変動やジェンダー平等などの社会課題に気づきをもたらす場に変えていくことを目指している。美術館や展覧会に行くこと、海を眺めること、カフェで過ごす時間が好き。
Instagram:@agastagno

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