大人になったということ

ある日の朝、私はコーヒー片手に母と最近の美術界隈の話をしていた。

母は私が生まれた年にギャラリー経営を始めていた。だから、話はかなり盛り上がった。そこでふと、「他のギャラリーいったことある?」と聞かれた。私は「そういえばあまりないかもしれない」そう答えた。そこで、母は知人が運営しているギャラリーを紹介していくれた。そこに行くことをその日に決め、午後には出発していた。

実際に行ってみるとこじんまりとした小さなギャラリーがそこにあった。中に入るや否や、オーナーの方が話しかけてきた。「◯◯◯君だよね?」実は、私が幼少期の頃、一度お会いしているらしい。「成長したね〜」とコーヒーを一杯くれた。

そこからは、昔の思い出話やギャラリーのお話、今回展示されている作品のお話やその作家さんのお話、もう気がついたら時計の針が5時を指していた。3時間経っていたのだ。

私は「時間経つの早いですね」と言った。そしたらオーナーさんが「これからもっと早くなるよ、あっという間におじさんになって気がついたら周りもおじさんいなって、もう笑けちゃうよ」そう言った。

その後は、人生について熱く語ってくれた。熱いコーヒーに、熱いお話、外に出ると暑い空気、今日本中いや世界中で「あつさ」をこんなにも一日で感じたのは私だけに違いない。「あつい」っていいな。そう感じた1日となった。あ、ちなみに私は、猫舌です。

photo&text by はじめ