「黒の魅力」

クローゼットの中が黒い服で埋め尽くされるようになったのは高校1年の頃。きっかけは、姉のボーイフレンドでした。

8歳年上の姉には当時スウェーデン人のボーイフレンドがいて、初めて家に来た時、真夏なのに黒いTシャツに黒いライダース、黒のレザースキニーパンツで登場しました。身長190センチの金髪碧眼にオールブラックファッション、という取り合わせが当時の自分には、最高にかっこよく見えたのです。

それから黒を意識して着るようになると、たちまちその魅力にはまりました。素材や形によって派手にもクールにもなり、色の深さによって、華やかな席にも、逆にお悔やみの席にも着られる黒。どんなデザインも受け止めてくれる包容力のある黒。

憧れの黒レザーパンツをジョンローレンスサリバンで見つけた時は、迷うことなく1か月分のアルバイト代をつぎ込みました。独特のパターンと光沢感が美しく、お気に入りの1着に。が、夏はやはり暑い!

夏中あのパンツを履いていたスウェーデンの彼はよほど我慢強かったのでしょう。

最近はさすがに面白味に欠けるかとも思い、白やブルーの服も増えてきました。

クローゼットが、真っ黒の鉛筆から「MONO」消しゴムカラーになったね、と言われます。

でもやはり好きなのは黒。目標は、年をとっても黒のレザーパンツをかっこよく履きこなすことです。いつまでも自分の心躍るファッションを身に纏っていたいと思います。

photo & text by レオナ

福島県出身。好きなものは焼肉と映画。MARVEL系と泣けるのは見逃さない。休みの日は散歩、動画を見ながら料理などして過ごす。得意料理はチキンのトマト煮。

レオナ